横浜駅西口にある相鉄ムービル(正式名称:相鉄南幸第2ビル)は、相鉄線の改札口からほど近い場所に建つ、西口の風景にすっかり溶け込んだビルです。
現在の建物は1988年に誕生し、それ以来35年以上にわたってこのエリアを見守ってきました。
そんな相鉄ムービルが、再開発の流れの中で2027年ごろ取り壊し予定に。今回は、その歴史と“いま”の姿を現地からレポートします。

🎞 ムービルのルーツは「ベイシェラトン」の場所にあり
いまの相鉄ムービルは、実は“2代目”。
初代ムービルは1971年、現在の「横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズ」の場所にありました。
1971(昭和46)年3月4日、相鉄映画館ビル「相鉄ムービル」(初代)が完成しました(現横浜ベイシェラトン ホテル&タワーズの敷地の一部)。
— 相鉄 公式 (@sotetsu_group) March 4, 2022
相鉄グループが横浜駅西口で運営していた既存の映画館を一堂に集め、日本で初めて映画館だけのビルで5館を収容。1988年の移転までお客さまに親しまれました。 pic.twitter.com/5E2KKoYqLL
当時は相鉄映画株式会社が運営し、2スクリーンを備えたクラシカルな映画館として親しまれていたそうです。
その後、横浜駅西口の再開発にともない建て替えが決まり、1988年に現在の南幸2丁目へと移転。
この2代目ムービルを開発したのが、なんと相鉄ユーザーにはおなじみのスーパーマーケット「そうてつローゼン」。
スーパーの会社が映画館のビルを建てたなんて、ちょっと意外ですよね!
🏢 現在のムービルは「相鉄×東急」のタッグ

現在の建物は、相鉄グループの相鉄ビルマネジメント株式会社が管理。
映画館部分は2006年から、東急レクリエーション(109シネマズ系)が運営を担当しています。
つまり、いまのムービルは──
🏢 建物管理:相鉄ビルマネジメント(相鉄グループ)
🎬 映画館運営:東急レクリエーション
🍎 開発のルーツ:相鉄ローゼン
という、“相鉄グループ×東急”による協働体制。
ローゼンが開発し、別会社が映画館を運営してきたという、相鉄沿線でも珍しい「コラボ構造」のビルなんです。
🎬 前の人の頭でスクリーンが見えなかった映画館(笑)

実は私、20年ほど前に初めてムービルで映画を観ました。
当時は座席の段差が浅くて(今では考えられません・・・)、前に座高の高い人が座るとスクリーンが見えなくなるような、昔ながらの映画館😂
ですが、数年後に再訪したときには、座席のクッションや音響が良くなっていて、以前よりもずっと快適に感じたことを覚えています。
古き良き雰囲気を残しつつ、快適に進化したムービル。
あの変化をリアルタイムで体験できたのは、今思えば貴重だったのかもしれません。
📸 現地を歩いてみた(2025年10月撮影)

取り壊しが予定されていると聞きつけ(まだ先ですが)、カメラ片手に現地を歩いてきました。

改めて見ると、なんとも古めかしいビルです。笑

照明もなんとも薄暗く、レトロ感満載です。


ですが、館内は映画館だけでなく、飲食店なども営業中。

完全に“閉じたビル”というわけではなく、「取り壊し予定」と聞いてもまだピンとこないほどです。
🏗 取り壊しは2027年ごろを予定 再開発の詳細は未発表

相鉄グループの中期経営計画(2025〜2027年度)では、2027年度中に建て替えに着手予定と明記されています。
ただし、跡地の具体的な再開発内容や所有形態(相鉄保有か売却か)は、まだ正式発表されていません。
いまのところ、
2026年度中:全館営業終了・解体工事着手
2027年度以降:再開発ビル建設へ
というスケジュールが有力とされています。
参考リンク
- 相鉄グループ公式 X(旧Twitter)
https://x.com/sotetsu_group/status/1499580427350450177
(初代ムービル=1971年開館、1988年移転の一次ソース) - 相鉄ビルマネジメント株式会社(管理会社公式)
https://www.sotetsu-bm.jp/
(相鉄第2南幸ビルを管理物件として掲載) - 東急レクリエーション(109シネマズ運営会社公式)
https://109cinemas.net/movil/ - Wikipedia「ムービル」
https://ja.wikipedia.org/wiki/ムービル - 相鉄ホールディングス 中期経営計画(2025〜2027年度)
https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20250425/20250424522758.pdf - 街の変化ナビ(相鉄ムービル再開発ニュース)
https://skyscrapers-and-urbandevelopment.com/52945/ 
📝 まとめ
昭和のムービルを知る人も、平成・令和のムービルで青春を過ごした人も。
それぞれの「ムービルの思い出」が、きっと心のどこかに残っているはず。
再開発で形は変わっても、この場所が横浜の“映画の記憶”であることに、きっと変わりはありません。

